『譜を読み、楽器を通して音におこす。』
この作業がいかに奥深いものかは、ピアノを学習している人なら日々実感していることでしょう。
譜面から何を読み取り、それをどのように解釈するのか。
その中で自分が感じたことをどうピアノに伝え表現するか。 etc...
これらのことは一生を通して追求していくことになると気付かされます。
「ピアノのテクニック」とは、いかに強く速くミスなく指が回るかだけではなく、それは、身体的にも精神的にも非常に多岐にわたります。それらを習得するためには、音楽に対する好奇心、探究心と追求心、想像し創造する力、集中力と忍耐力、そして、確固たる自信、信念、精神力が求められます。
ピアノを通してこれらの精神世界に触れる子供たちは、様々な感情に出会うことになるでしょう。それは、音楽の枠を越え、自分で物事を考え、判断し、行動し、遂行できる自己の形成につながります。
何かと協調性が重んじられる日本の社会において、感情を持たない人口知能が様々な場面で生身の人間に取って代わろうとしているいま、これからの私たちに真に求められるものは、しっかりとした「自己」と「感性」を持った「自分」ではないでしょうか?
私は日々の楽しいレッスンを通して、子供たちが「それぞれの自分」を見つけてくれることを心より願っています。
種井 悠太(プロフィール)