姉妹で通われていた生徒さんのお引越しが決まり、今月でお別れとなりました。
5年生と年長さんの姉妹で、妹さんは今年の1月から、
お姉ちゃんは小さい頃からピアノを習っていましたが、別のお教室から移ってこられたので、私とのお付き合いは1年半という短い期間でした。
理解力が高く、こちらが伝えたことをどんどん吸収していく優秀な
生徒さんでした。また、お母さん自身も長くピアノを学ばれた方で、色々とご理解のある方でしたので、下手に口出しをすることなく、
非常に良い距離感でお子さんを見守っていらっしゃいました。
7月の初めにお引越しが決まり、高崎の森を退会しなければならなくなったことをとても残念がってくださいました。色々とお話する中で、ずっとお伝えしたいことがあったんです!と熱く語ってくださいました。
この教室に出会えて良かったです、
1人の先生だけでなく、他の先生にもレッスンをして頂けることや、
発表会以外に勉強会があり学べる機会が多いこと、
何とか良いものを伝えたいという先生方の熱意に感動しました、
などなど沢山の嬉しい言葉を頂きました。
私たちが常日頃伝えたいと思っていることを、本当によくご理解下さり、私も胸が熱くなりました。
そして、最後のレッスンでの会話で、なぜお母さんがここまで理解があり、そしてお子さんの先生探しに拘られるのかが分かりました。
私と同じ経験をされていたのです。
「もっと早くこの先生に出会えていたら・・・」
私は5歳頃からピアノを習い始めました。
近所の先生にお世話になり、熱心にご指導くださいました。
高校1年の冬、音楽の道へ進むことを決め、種井幸子先生に出会うことができました。
そのレッスンが目から鱗だったのです。
先生に言われた通り練習すると、できなかったことができるようになっていく自分がいました。
練習嫌いだった私が、練習が楽しくて仕方なくなりました。
姉妹のお母さんもこれに近い経験をされ、子供には早い段階から良い先生に巡り合えるようにと、先生を探されてきたそうです。
そしてこんなことも仰っていました。
「これからがピアノの本当の楽しさが味わえると思うので(お姉ちゃん)、ピアノは続けていきます。そして、その楽しさを経験し、沢山学んだ後、本人がピアノを辞めてしまったとしても、様々な芸術に共通するものがあると思うので、違う分野でも色んなことを吸収できると思うんです。」
本当にその通りだと思います。
ピアノに限らず、一つのことを探求、追及し、努力の末にその面白さを味わったことがある方なら、このお母さんが仰っていることがよくご理解いただけると思います。
そして、この経験は人生の大きな糧になるはずです。
お別れはやはり寂しいですが、この姉妹に出会えたこと、そしてこの様なお母さんに出会えたことをとても嬉しく思います。
いつかまたどこかでお会いできる日を楽しみにしています。
徳永